column

コラム

HOME最新情報コラム整えて、動いて、負荷を持つ。
  • コラム

整えて、動いて、負荷を持つ。

30年かけて辿り着いた、身体を育てるウエイトトレーニング。


私がこの業界に入った原点は、プロ野球球団のチームトレーナーとして、野球に関わる仕事がしたいと思ったことでした。

会社員を辞め、専門学校に入り、身体や運動について一から勉強を始めました。

その中で、私が「これは素晴らしい運動法だ」と強く感じたのが、
ウエイトトレーニングです。

当時(1996年)、ウエイトトレーニングといえば、「ボディビルをする人が行う運動」という印象が強い時代でした。

しかし、私はウエイトトレーニングを、ボディビル(筋肉を大きくさせる)のためだけの運動だとは思いませんでした。

「体力をバランスよく高め、身体を守り、健康を維持するために理想的な運動法ではないか。」

「この素晴らしい運動法を、世の中に正しく普及させたい。」

それが、運動指導者として歩み始めた頃の、私の原点です。


ウエイトトレーニングを知るために、ボディビルを経験する

一方で、ウエイトトレーニングを深く理解するためには、ボディビルを経験することも必要だと考えました。

当時は、現在のようなフィジークやベストボディというカテゴリーはありません。

身体づくりの競技といえば、ボディビルしかない時代ですから、なかなかハードルは高いですよ(笑)

私は、ボディビル競技に取り組んでいる方々に混ざってトレーニングを行い、身体のつくり方や負荷のかけ方、種目の選択、食事、休養について、実践を通して学びを積み重ねました。

「自分の身体を使い、負荷をかけ、身体がどのように変化するのかを経験する。」

本や授業で得た知識だけではなく、自分自身の身体を通して学んだことは、私にとってかけがえのない財産となっています。

まだ世の中に「パーソナルトレーナー」や「パーソナルトレーニング」という言葉がほとんど知られていなかった頃。

私はパーソナルトレーナーとして、予防医学の観点からウエイトトレーニングの普及活動を続けてきました。

一般の方からプロアスリート、さまざまな目的を持つ方々と向き合いながら、ウエイトトレーニングの方法を模索してきました。

その経験を重ねる中で、私の運動法に対する考え方も少しずつ深まっていきました。


一つの運動法だけで、すべては解決できない

運動には、さまざまな方法があります。

ストレッチ運動、有酸素運動、自体重トレーニング、ウエイトトレーニング。

そして現在では、ピラティスやヨガなども広く知られるようになりました。

私は、ピラティスやヨガを否定しているわけではありません。

しかし、私の中でのピラティスやヨガという運動法は、身体の状態を確認し、姿勢や動きを整えるための「マットトレーニング」という位置づけです。

「呼吸を整え、関節を動かし、筋肉の緊張を調整し、自分の身体をコントロールする。」

身体を整えるためには、とても有効な運動法だと思います。

しかし、マット上で身体を整えるだけで、すべての問題を解決できるかというと、現実には難しいこともあります。

私たちは、日常生活のほとんどを立った状態で過ごしています。

そのため、マット上で整えた身体を、次は立った状態で使えるようにしていかなければなりません。

・自分の体重を支える。

・立ち上がる。

・歩くor走る

・片脚で身体を支える。

・身体を回旋させる。

・姿勢を保ちながら、手足を動かす。

このような動きを身につけるためには、自分の体重を使った立位でのトレーニングが必要になります。

しかし、自分の体重を使って動けるようになったとしても、それだけで将来に必要な体力を維持し、向上させられるとは限りません。

一生涯、体力を維持し若々しく健康的に過ごすためには、日常生活よりも少し強い刺激が必要だと考えることもできます。

そこで必要になるのが、外から適切な負荷を加える運動法です。

つまり、ウエイトトレーニングです。


整えて、動いて、負荷を持つ

私が現在考えている運動法には、三つの段階があります。

最初は、身体を整えること。

次に、自分の身体を使って動くこと。

そして最後に、適切な負荷を持つことです。

整えて、動いて、負荷を持つ。

身体の状態や目的に合わせながら、この三つの段階を組み合わせていきます。

大切なのは、どれか一つの運動法ですべてを解決しようとすることではありません。

マットトレーニングには、身体を整える役割があります。

自体重トレーニングには、自分の身体をコントロールする役割があります。

ウエイトトレーニングには、身体に適切な負荷を与え、体力を育てる役割があります。

それぞれの運動法には、それぞれの役割があります。

その人の身体の状態や年齢、体力、目的に合わせて組み合わせることが、運動を安全に継続し、目的を達成するためには必要だと考えています。

身体を整えることは大切です。

しかし、整えるだけでは、体力は育ちません。

動けることも大切です。

しかし、動けるだけでは、身体は強くなりません。

将来に向けて体力を維持し、向上させるためには、その人に合った適切な負荷が必要だと考えます。


やはり、私はウエイトトレーニングが好きだ

最近、私は改めて感じています。

やはり、私はウエイトトレーニングが好きなのだと。

ここ数年、右肘に痛みがあり、以前のようなウエイトトレーニングができない時期が続いていました。

その右肘の状態が良くなり、少しずつ以前のようなウエイトトレーニングができるようになってきました。

重りを持つ。

筋肉に負荷をかける。

フォームを考える。

身体の反応を確認しながら、重量や回数を調整する。

思うようにウエイトトレーニングができることが、今は楽しくて仕方がありません。

そして、自分自身がウエイトトレーニングを楽しむ中で、30年前に抱いていた気持ちが、もう一度自分の中から湧き上がってきました。

「ウエイトトレーニングを、もっと多くの人に正しく伝えたい」

30年前に感じた想いが、30年間の経験を重ねた今、再び自分の中に戻ってきています。

ただし、30年前と現在では、伝えたい内容が大きく違います。

当時は、ウエイトトレーニングという運動法の素晴らしさを、多くの人に知ってもらいたいと思っていました。

今は、ウエイトトレーニングだけを勧めたいわけではありません。

身体を整え、自分の身体を使って動ける状態をつくった上で、
その人に必要な負荷を適切にかけること。

その一連の考え方を伝えたいと思っています。


私が伝えたいのは「健康美」のためのウエイトトレーニング

私がこれから伝えていきたいのは、ボディメイクのために限界まで身体を追い込むようなウエイトトレーニングだけではありません。

もちろん、競技を目指す方や身体を大きく変えたい方には、強い負荷や厳しいウエイトトレーニングが必要になることもあります。

しかし、多くの一般の方に必要なのは、毎回限界まで追い込むことではありません。

年齢を重ねても、自分の脚で歩く。

正しい姿勢を保つ。

階段を上る。

転ばない身体をつくる。

趣味や旅行を楽しむ。

仕事を続ける。

そして、健康的で美しい身体を保つ。

そのために必要な筋力や体力を、無理なく育てていく。

私が目指しているのは、
そのような「健康美」を保つためのウエイトトレーニングです。

その人の現在の身体を確認し、目的に合わせて、必要な種目と負荷を選択する。

無理に追い込むのではなく、身体が成長するために必要な刺激を与える。

そして、一時的な結果ではなく、長く継続できる運動にする。

それが、私の考えるウエイトトレーニングです。


30年間の経験を、SPORTIA式(野村式)として形にする

一般の方からプロアスリート、私は30年間、さまざまな身体と向き合ってきました。

身体を整えることの大切さ。

自分の身体をコントロールすることの大切さ。

適切な負荷をかけることの大切さ。

休養することの大切さ。

そして、運動を継続することの難しさと、その価値。

現場で多くの方と向き合い、自分自身もトレーニングを続けてきたからこそ、分かるようになったことがあります。

30年前の私は、ただ「ウエイトトレーニングを普及したい」と思っていました。

今は、なぜウエイトトレーニングが必要なのか。

誰に、どのような負荷が必要なのか。

どのように身体を整え、どの段階で負荷を持つのか。

以前よりも、はっきりと説明できるようになっています。

30年間、学び、実践し、指導を続けてきたからこそ、
今なら自分なりの理論を形にできる。

身体を整える。

自分の身体を使って動く。

そして、適切な負荷を持つ。

整えて、動いて、負荷を持つ。

この考え方を軸に、健康的で美しく、年齢を重ねても動き続けられる身体を育てる。

それを、これから「SPORTIA式ウエイトトレーニング」として、少しずつ形にしていきたいと思います。

私の中で、30年前に抱いた原点と、30年間の現場経験を経てたどり着いた現在の考え方が、ようやく一本につながろうとしています。

まだまだこれからです!


株式会社スポーティア
代表取締役
野村 幸紀