こんにちは!
前回のブログで認知症を予防することは様々な面において大切である!という内容を書かせて頂きました。
しかし、そもそも『認知症』っていくつ種類があるのか?また『認知症』はあくまで症状であるため、この症状を引き起こす原因疾患にはどんなものがあるのか?について本日はお伝えしていきたいと思います!
認知症をきたす疾患や病態には、アルツハイマー型認知症などの神経変性疾患や脳血管障害、脳腫瘍や感染症など様々な疾患があります。その中でも認知症をきたす最も多い疾患はアルツハイマー型認知症で約半数を占めており、次いで脳血管性認知症、レビー小体型認知症の順で多いと言われています。
以下に認知症をきたす主要な原因疾患について記載します。
(中枢神経変性疾患が原因で認知症を来たす疾患)
→アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症、大脳皮質基底核変性症、進行性核上性麻痺など…
(脳血管性病変が原因で認知症を来たす疾患)
→多発梗塞性認知症、戦略的な部位の単一病変による血管性認知症、小血管病変性認知症
(感染症が原因で認知症を来たす疾患)
→脳炎、神経梅毒、エイズ脳症、プリオン病
(腫瘍が原因で認知症を来たす疾患)
→原発性脳腫瘍、転移性脳腫瘍
(外傷性疾患が原因で認知症を来たす疾患)
→慢性硬膜下血腫、脳挫傷
(髄液循環障害が原因で認知症を来たす疾患)
→正常圧水頭症
(内分泌障害が原因で認知症を来たす疾患)
→甲状腺機能低下症、副甲状腺機能亢進症など…
(中毒、栄養障害が原因で認知症を来たす疾患)
→アルコール中毒、ビタミンB12欠乏など…
ざっと挙げられるだけでもこれだけの原因疾患があり、そのほとんどが脳疾患であるため“認知症と脳”は切っても切り離せない関係だという事が良く分かります^^;
またこれらの中で『治る認知症』いわゆる“治療により症状が改善する”疾患もあります。
その代表的なのが慢性硬膜下血腫(手術での血腫除去術)や正常圧水頭症(髄液穿刺)などの外科的疾患、甲状腺機能低下症やビタミンB12欠乏症などの内科的疾患です。
私が病院に勤務していた頃、慢性硬膜下血腫や正常圧水頭症が原因で認知症状が出現しているケースは非常に多かったです!
慢性硬膜下血腫はそのほとんどが転倒を起因に発症するため、これらを予防していく上では運動による下肢筋力やバランス能力の維持は非常に大切です(^ ^)
(転倒した際に頭部を強打することで、頭部内で出血し血腫が溜まります。この病気はゆっくり発症するため、転倒したその日の夜や次の日などに症状が現れるため、非常に注意が必要です!)
このように、一言に認知症といっても背景にはこれだけの原因疾患があり、認知症状が出現している場合は放っておかずに早めに病院を受診をする方が良さそうですね(^ ^)
私の実体験ですが、この間久しぶりに祖母に会いました。喋っていて以前よりも認知機能が少し低下し始めてきたのかなと感じましたが、コミュニケーションは取れていました。記憶力の低下がややありましたが、高齢というのも影響しているのかな?と勝手に思い認知症ということに関してはあまり深く考えていませんでした。
その後、母親から物忘れが激しいから念のため病院でMRI検査をしてきたとのLINEが届きました。
そのMRIの結果は大脳皮質に微小病変の多発性脳梗塞が見つかったとの事でした。古い病変と新規病変が散在しているとのことでしたが、幸い麻痺などの症状はなく、命にも別状はないとのことで安心しました。
この時、祖母の認知機能の低下は脳梗塞が原因であったことが判明しました。
このように、ただの加齢だと思ってあまり気にしてなかった認知症の原因が実は脳梗塞だったというケースは往々にしてあると思います。これを放置しておくといずれは命を脅かす大きな脳梗塞になっていた可能性もあるので非常に怖いですよね。汗
少し話が脱線してしまいましたが、本日のブログでは認知症の種類と原因疾患について、そして治療により症状が改善する事が可能な認知症があることをお伝えしました!
次回のブログでは認知症の原因として一番多いアルツハイマー型認知症をお伝えしていきたいと思います。
それでは、最後までブログをご覧いただきありがとうございました!