こんにちは!
前回のブログで要介護状態に至る原因疾患を予防することが健康寿命を延ばす上で大切であるとお伝えしました。
本日は要介護・要支援状態に至る原因疾患はどのようなものが多いのか?をお伝えしていこうと思います。
皆さんは介護が必要になる病気はどんなものが思い浮かびますか??
私はパッと思いつく限りでは脳卒中や骨折などが挙げられます。
まず平成30年度版高齢社会白書によると、平成27年度時点で要介護者(要支援や要介護認定を受けた人)は6,068人であり、65歳以上の方の要介護者数は増加しており、特に75歳以上の方の割合が高いというデータがあります。
65~74歳と75歳以上の方で、それぞれ要支援・要介護認定を受けた割合を見てみると、
『65~74歳』 要支援認定:246人(1.4%) 要介護認定:510人(2.9%)
『75歳以上』要支援認定:1,470人(9.0%) 要介護認定:3,842人(23.5%)
つまり、75歳以上になると途端に要介護認定を受ける方の割合が大きく上昇しているのが分かりますよね。
また健康寿命の指標の1つでもある、要介護2以上の認定を受けていない方の割合を見てみると、全体の約48%が要介護2以上の認定を受けていないことが分かります。
要介護度の区分変更があった平成18年度では要介護2以上の認定を受けていない方は全体の約44%になりますので、少しずつではありますが健康寿命が延びてきていることが分かります(*^_^*)
では、65歳以上の方で要介護状態に至る原因疾患としてどのような病気が多いのかを見てみると(平成28年度)、
『全体』
①認知症(18.7%)②脳血管疾患(15.1%)③高齢による衰弱(13.8%)④骨折・転倒(12.5%)⑤関節疾患(10.2%)⑥心疾患(4.7%)
『男性』
①脳血管疾患(23.0%)②認知症(15.2%)③高齢による衰弱(10.6%)④骨折・転倒(7.1%)⑤心疾患と関節疾患(同率5.4%)
『女性』
①認知症(20.5%)②高齢による衰弱(15.4%)③骨折・転倒(15.2%)④関節疾患(12.6%)⑤脳血管疾患(11.2%)⑥心疾患(4.3%)となっています。
次に要介護度別で多い原因疾患を見ていきましょう。
『要支援1』
①関節疾患②高齢による衰弱③脳血管疾患(脳卒中)
『要支援2』
①骨折・転倒②関節疾患③脳血管疾患(脳卒中)
『要介護1』
①認知症②高齢による衰弱③脳血管疾患(脳卒中)
『要介護2』
①認知症②脳血管疾患(脳卒中)③高齢による衰弱
『要介護3』
①認知症②脳血管疾患(脳卒中)③高齢による衰弱
『要介護4』
①認知症②脳血管疾患(脳卒中)③骨折・転倒
『要介護5』
①脳血管疾患(脳卒中)②認知症③骨折・転倒
全体的な傾向として、中等度以上の要介護者では認知症と脳血管疾患(脳卒中)が極めて原因疾患として多い印象を受けました。脳血管疾患に関しては後遺症(片麻痺)が残存するケースが多いためそんなに驚きはしないですが、それよりも認知症が一番多い原因となっていることがとても意外でした!
また個人的には骨折・転倒や関節疾患などのロコモティブシンドロームや高齢による衰弱などのいわゆる廃用症候群も多いことがかなり気になりました。
次回からはこれらの原因疾患に対する予防法および改善法をお伝えしていきたいと思います。
それでは、最後までブログをご覧いただきありがとうございました!