チーム九電工様に所属され、ケニア代表としても活躍されているポール タヌイ選手。
陸上(長距離)が好きな方は、誰もが知っている有名な選手です。(世界トップレベルのランナー)
私は、運よくチーム九電工陸上競技部(男子)様に携わらせて頂いていますので、数年前からタヌイ選手のカラダを触らせて頂いたり(ストレッチ中心のボディケア)、補強トレーニングをさせて頂いています。
私の主の仕事は、携わっている選手の皆様&チーム様が「素晴らしい結果!」になるようにサポートさせて頂くことですが、それと同時に「未来の素晴らしい選手を育成するため“本物の情報”」を世に出すことも重要な仕事だと思っています。
常々、スタッフや同業の後輩たちに伝えているのが『現場は、スポーツ科学より先に進んでいないといけない!!』です。
マラソンを拝見していても、「日本人は、アフリカ勢に勝てないのか?!」「どのような練習が必要なのか?!」というフレーズを耳にします。
これに対して、私(プロトレーニングコーチ:フィジカル強化)も現場で模索しながら仮説を立てながら取り組んで来ています。
今から書くことは、約9年間陸上競技(長距離)に携わり、学ばせて頂いたことで私自身が“確信”している考え方です。
とても小さな“布石”ですが、きっと誰か様のヒントになると信じています。
【筋力を考える:日本人とケニア人の違い!】
筋肉が発揮する力を「筋力」と言います。
この「筋力」は、どの競技&日常生活においても「強い(高い)」方が良いです。*大前提
筋力発揮を高める要因は、下記となります。
①神経支配の動員数(筋繊維の動員数)↑
②筋肉の長さ↑
③筋肉の太さ↑
*私がHPでも書いている「腱トレ」をここで書くと難しくなるので、腱のことは一旦触れずに行きます。
筋肉の正式名称が“骨格筋”と呼ばれるように、②筋肉の長さは、骨格に比例します。
簡単に言うと、骨格が大きい → 身長が高い人は、筋肉が長いということですね。
ですので、この先天的要因だけで「筋力発揮」には有利だということです。
タヌイ選手(ケニア)で考えてみます。
身長は、168㎝くらいなので日本人の平均身長くらいです。
しかし!!
日本人との大きな違いは、「手足が長い!!」ということです。
脚の長さは、日本人の身長180㎝オーバーの方に匹敵します(驚)
私(野村)の身長が約169㎝なので、タヌイ選手とほぼ同じですが、並ぶと腰の高さが全く違います!
*お顔の大きさも違うので、横に並びたくないですね(笑)
ここからは、仮説ですが、①神経支配の動員数②筋肉の長さは、日本人より優れていると推測できます。ただ、③筋肉の太さは、日本人より劣っているのかもしれませんね。
私と比べるとおかしくなりますので、チーム九電工様(実業団レベル)の選手で考えてみます。
チーム平均で考えますと平均身長より「手足が長い選手が多い!」という特徴があると思います。簡単に言うと「足が長い選手が多い!」ということですね。
ということは・・・。
日本人がケニア人より「筋力発揮」で勝つには、①神経支配の動員数③筋肉の太さに着目した筋力トレーニングを行うことが重要だという結論に至ります。
③筋肉の太さに関しましては、何度もブログなどで書いていますが、ほぼ毎日筋肉を大きくする(筋繊維を肥大させる)目的でトレーニング+食事をしているボディビルダーの選手が苦労していますので、「筋肉が太くなったらどうしよう?!」みたいな心配は無用なのです^^
むしろ、太くなって「筋力発揮」が高くなった方が良いのです。
①神経支配の動員数に関しては、やはり基本である「高重量トレーニング」がポイントのように思いますね。高校生や大学生には、積極的に取り入れてほしいと思うトレーニング法です。
以上のような考え方で、基本的な補強トレーニングを継続することが重要だと思います。
(*世界で戦うためには)
上記のことをふまえた上で、日本人とケニア人の筋力発揮に関して決定的な違いがあります。
それが・・・。
『腱の長さ&粘弾性』です。
腱の長さに関しては、先天的な要因があると考えますが、“粘弾性”に関しては、「トレーニング次第で何とかなる!!」という結論至っています。
そのトレーニング法が、『基礎筋力トレーニング+ストレッチング』です。
(続く)